ノクチルのメンバーにおすすめ数学書聞いてみた『微分積分編』
「前回の記事も参考にしてくださいね~。こちらでは線形代数の本を紹介しています」
「ぜ、前回は線形代数の本を紹介したから今回で理系大学生の1年生に向けた紹介はおしまいだね!」
「じゃあ始めようか」
福丸小糸 おすすめの微分積分の本
「こ、今回も私は初学者向けの本を選んだよ」
「線形代数は石井さんの本だったね,、微分積分も同じシリーズのものがあるけど」
「うん、一冊でマスター大学の微分積分も初学者向けなんだけど、加藤先生の本とは明確に想定している読者が違う感じがしたよ。石井さんの方が非数学科向けで計算ができることに重点が置かれていて、加藤先生の本は高校数学から大学数学へのナチュラルな導入を意識しているように感じたよ。数研出版の表紙になれている学生さんも多いと思うし、すごくとっつきやすいような感じがするね」
「加藤先生はN予備校の特別講師もされているし、もっと勉強したいと考えている高校生も意識しているみたいだね、知らないけど」
「N予備校でやってたガロア理論の授業も面白かったから見てもいいかも~」
「じゃあ、次」
樋口円香 おすすめの微分積分の本
笠原晧司『微分積分学』
「ぼろぼろじゃん、表紙」
「サイエンス社の本の表紙ってすごいぼろぼろになるよね……」
「戦友って感じがして雛菜好き~」
「まあ、表紙はどうでもいいんだけど。……杉浦先生の解析入門が微分積分だと有名だけど、厳密さを損なわないままとっつきやすくしたような感じ。解析入門を読むのはちょっとしんどいなってなった時に一番いいかもしれない。少し挟まるくだけた笠原先生の言葉が心地いい。何よりも積分の導入が早いのが心が折れずに読めるポイントだと思う。演習問題は骨のあるものも多いから1、2年生のうちにしっかり腰を据えて読めばすごく力になる本だと思う。あとすごく安い」
「2000円くらいだもんね~」
「ふふ、財布なくても大丈夫」
「そ、それはダメなんじゃないかな……」
浅倉透 おすすめの微分積分の本
高木貞治『解析概論』
「正直あんまり読んでないんだけど」
「名著って言われて買ったけど……ってやりがちだよね」
「そう、ただ微分商のパートはとても参考になったね。序盤に書いてあったんだけど、あれだけでも読んだ価値あったかもしれない。すごくわかりやすい本ってわけでもないんだけど、結構妙な魅力はあるなと思うから見てみて気に入ったら買ってみてもいいかもね」
「難しい名著と言われている本はもちろんいいものだと思うけど、そのときの自分に合った本かどうかって大事だから図書館とかできちんと見てみた方がいい」
市川雛菜 おすすめの微分積分の本
杉浦光夫『解析入門I』
「あは~」
「じ、辞書……」
「そうだね~。教科書の代わりにこれを買って頭から読み始めたら多分授業の進度との乖離で辛くなっちゃうから教科書は持っておいて、もう少し詳しい話知りたいなとか授業で飛ばした証明が知りたいとかそういう辞書的な使い方がいいと思うよ~。もちろん、頭から読んでみてもいいと思うけど、ただ難しいっていうよりは内容がぎちぎちに詰まっているっていうタイプのしんどさだから楽し~く読めればいいかもね~」
はづきさんからの+α情報
「私からはネット記事やYouTubeなどでより手軽に見られるものを紹介しますよ~」
「微分積分は数学IIIで触ることもあって1ワードごとの動画はたくさんあるのですが、なかなか体系的な動画がありません。そんな中AKITOさんはなんと96本の微分積分の講義動画を出されています!数列の極限に始まり、積分の順序交換までしっかり学べます。毎日少しずつ見れば力がつくこと間違いなしですよ~」
「続いて紹介するのは筑波大学の先生が直々に動画にしていらっしゃる解析の授業です。大学の授業そのままなので、高校生が大学の雰囲気を見たり、自分が学生になったような気分で見られますよ~。もちろん大学の授業丸々なので内容も安心です」
「最後に紹介するのは学習院大学の田崎晴明先生による物理数学のPDFです。内容としては集合論・一変数の微積分・行列・常微分方程式・ベクトル解析です。すごく充実したPDFでボリュームもありますが、田崎先生の軽妙な語り口からさくさく読めちゃいますよ~。困ったときにこちらを開いてみればきっと助けになってくれます。田崎先生のweb日記もかなり面白いのでこちらも見てみるといいかもですよ~」
「良い本や教師に出会えることは楽しい学習の第一歩ですよ~」
ノクチルのメンバーにおすすめ数学書聞いてみた『線形代数編』
「きょ、今日はおすすめの線型代数の本の紹介だったよね」
「そう、需要あるのかは知らないけど。どうせ誰かの趣味じゃないの」
「いいじゃん、楽しそうだし」
「あは~、雛菜もそう思う~」
福丸小糸 おすすめの線型代数の本
「じゃ、じゃあ私から……」
石井俊全『一冊でマスター大学の線形代数』
「ふーん、結構初学者向けのやつを選んだんだ」
「う、うん。これを見てくれる人の層が分からないし、雛菜ちゃんとか怖そうだから……」
「え~そんなことないよ~」
「じゃあ、まあ小糸ちゃん。聞かせてよ、おすすめの理由」
「うん!まず初めてやるのにちょうどいい難易度だと思うよ。かといってポップに振りきってはいなくて、あとに難しい本をやるうえでも困ることはないんじゃないかな。あと標準形のパートはかなり丁寧だよ。ただ、問題や例が少ないからこれで完全に十分!っていう感じではないかな。同じような初学者向きの本としては最近だと加藤先生の教養線形代数も出てるよ!」
「この二つともに言えることだけど、表紙がポップなのもいいところだと思う。特に加藤先生の本は高校数学の教科書でとても馴染みあるものなんじゃないかな。大学でかっこいい数学をしたいというならもっと別の本の方がいいかもしれないけど……」
「おつかれ小糸」
「石井さんの本はわかりやすいの多いよね~。ガロア理論の頂を踏むとか、相対性理論を一歩一歩とか」
「大人のための数学教室とかをしている方だし教育に熱心なのかもね。知らないけど」
「そろそろ次の紹介する?」
「じゃあ私から」
樋口円香 おすすめの線型代数の本
「ふふ、やっぱり」
「なに」
「……。この本は二次行列から始まる。高校で行列を扱わなくなってから大学に入って初めて行列を触れる人が増えたからここをすごく丁寧にやってくれるのはとてもやさしい。しかもやさしさのためだけじゃなくて二次形式とかも詳しく扱ってくれてる。2部から始まるn次元の行列に関する議論も二次行列で十分慣れてから入るからイメージがしやすい。各章の終わりや少しずつ挟まる余談のような部分も後で見返してみるとこんなことまで書いてあるんだとなる。万人にやさしい本」
「円香先輩この本大好きだよね~」
「……雛菜うるさい」
「いいよね、この本。見たことある?アマゾンのレビュー」
「まるで知らない場所を、ゆっくりと歩いて巡りながら、詳しいおじいさんに案内してもらうような。」
「ほ、本当にそんな感じだよね」
「序文にもあるように徐々に数学書っぽい書き方になるのもいいよね~。読むにつれて数学徒になるみたいな感じ!」
「じゃあ次」
浅倉透 おすすめ線形代数の本
齋藤和彦『線型代数入門』
「難しい方のさいとうさん」
「漢字がね」
「あは~透先輩、カバーないね~」
「かっこいいかなって取った方が」
「カバーつけてるとカラフルでカバー取ると重厚感が増す。さすが東京大学出版会……」
「定番だよね。まあ、大学に入って線形代数の本何?って聞いたら10人中7人は上げると思う、この本。昔の定番で言えば佐武もあるけど、こっちは比重が計算に寄ってる。いわゆる数学書っぽい書き方を学ぶ上でもこういう本を読んでみるのもいいと思う。それに計算に重きを置いてるからしっかり腰を据えてやればあとで困らない。あと、このあとで新しく書き直してる線形代数の本だとジョルダン標準形の証明の仕方が変わってるらしい」
「単因子論を使った証明から広義固有空間を使ったものに変わってる。全体としても構成がより分かりやすくなるようになってるからこっち買うのもいいかも」
「あとこの本といえばンダルョジ標準形だよね~」
「雛菜ちゃん、いまどうやって発音したの?」
「んー、ンダルョジ標準形」
「……」
「最後は雛菜~」
市川雛菜 おすすめ線形代数の本
斎藤毅『線形代数の世界』
「あは~世界~」
「昔、線形代数を勉強するために開いたら1ページめに体が書いてあって逃げた」
「難しいもんね……」
「だから、難しい方のさいとうさんじゃ一意に決まらない」
「難しい方のさいとうはwell-definedじゃないんだね……」
「やるね、小糸ちゃん」
「あは~じゃあ内容についてしゃべるね~。線形代数の計算のできるようになった人が次に読むならこれだよね~。抽象度は高くなるけど、双対空間やテンソル積、商空間とか後で呼吸するみたいに使う概念について詳しく紹介してるよ~。じっくり読んでもいいけど、とりあえず計算できるようになったあとで他の分野の勉強してる時に必要になったらこの本を開いてみればいいと思うな~。それと~難しいという印象が一人歩きしているけどそれは初学者向けじゃないっていうだけのことで本自体はとっても教育的だよ~」
「終わったね、全部」
「お、お疲れ様!」
はづきさんからの+α情報
「ノクチルさんからの紹介では主に本の紹介にあてたのでこちらではネット上の有用な記事やYouTubeで見られる授業動画を紹介していきますよ~」
「まずは予備校のノリで学ぶ「大学の数学・物理」、通称ヨビノリさんです。線形代数に関しては連続講義という形で、14つの動画が上がっています。各動画の時間もそこまで長くなく、タクミさんのまさに巧みな話術で退屈せずに最後まで見られると思います。ベクトル空間などについては扱っておらず基本的な(学部一年前期程度)計算ができるようになることに重点が置かれていますよ~。一番最初に見るのがいいと思います」
「続いては古賀真輝さんです。この方は大学で専門的に数学をやられていることや、コンセプトの「わかりやすさより正確さ」という言葉からあるようにヨビノリさんと比較して厳密な線形代数を学べます。といっても分かりにくいことはないので初めて学ぶ人も問題ないと思いますよ~。扱ってる内容としてはだいたい行列式の定義までですね~。対角化の話などはまだ扱っていないので、いわゆる数学書を読んでいて最初につまずいてしまった人の滑走路として使うのがいいと思います」
「続いて紹介するのは高校とは?でおなじみの高校数学の美しい物語です。こちらは体系的なスタイルではなく気になったワードで検索すると助けてくれるお助けキャラのような使い方がおすすめです。線形代数以外の記事、特に数オリ向けの記事やレベルの高い高校数学向けの記事なども面白いものがたくさんあるので暇なときに調べてみると楽しいかもですよ~」
「他にもネットやYouTubeなどに線形代数について発信してる方はたくさんいます。自分に合った教師を見つけるのが勉強の第一歩ですよ~」
シャニマスと美しい負の曲率の世界
どうもクリスマスイブに皆様に素敵な負の曲率を教えます。イーナサンタです。
みなさま双曲幾何学はご存じでしょうか?ボヤイとロバチェフスキーがユークリッドの第五公理を書き換えることで得られた負の曲率を持つ空間における幾何学のことです。双曲幾何学 - Wikipedia
その世界では三角形の内角の和は180°よりも小さく、平行線は無限に存在します。そんな摩訶不思議負の曲率を人体が持つ部分、そこに私は強く惹かれるのです。
膝裏、足の裏、解剖学的嗅ぎ煙草入れ。
膝裏、足の裏、解剖学的嗅ぎ煙草入れ。
膝裏、足の裏、解剖学的嗅ぎ煙草入れ。
なんて甘美な響きでしょうか。足の裏に三角形を描こう。すると、どうだ?内角の和は180°よりも小さい!ということで今日はシャニマスイラスト界最強の凹みを探して俺たちの冒険はまだ始まったばかりだ!!!
エントリーNo.1 櫻木真乃
まごうことなき神の膝裏。下からの視点というのもそそる。踏め、踏んでくれ。そして踏まれても土踏まずの下、欲しかった痛みをもらえずにもどかしい気持ちを抱えるのだ……
エントリーNo.2 風野灯織
伸びた膝裏ももちろんだがここで注目したいのは鼠径部と脇である。鼠径部、それは子宮を支える子宮円索が通る場所。鼠径部を猛烈ダッシュする俺。
エントリーNo.3 八宮めぐる
見えるか?小さく映った鼠径部が。俺には見える、はっきりとな。小指外転筋もいいな……
エントリーNo.4 月岡恋鐘
神が作った土踏まず。なるほど、恋鐘はエジプト型と。ピラミッドよりも世界遺産になるべきものがここにあるよユニセフ!
エントリーNo.5 田中摩美々
悩みまくった摩美々の凹みですが、これです。最高の背中とケツ。人気アトラクションになりそうな滑らかさ。
エントリーNo.6 白瀬咲耶
水面に揺れる彼女の膝裏。膝裏波動方程式でノーベル賞を取ること間違いなしだ。
エントリーNo.7 三峰結華
鼠径部に住む魔物になりたい。
エントリーNo.8 幽谷霧子
ドスケベ of ジャパン。世界に誇る全身ドスケベ女こと幽谷霧子。なんと顔すら出さずに参戦した。華奢な肩、引き込まれる鎖骨。控えめな太ももとギリギリ見えない膝裏。もはやミロのヴィーナスである。
エントリーNo.9 小宮果穂
後述するあさひと同じなんですけども、太ももの太さがちゃんと差がつけられているのを感じますよね。そして膝裏、脇です。ちなみにですが、小宮果穂は世界で一番横顔のきれいな女です。大人になったあさひ、海沿い。プロデューサーさんのこと昔、ちょっと好きだったんですよと。胸がチクりと痛くなる。そんな無い思い出がよみがえる横顔。
エントリーNo.10 園田智代子
こんなん脇のダンジョンに冒険者を迷い込ませようとしてるやん。ちょこ先輩は最低です。
エントリーNo.11 西城樹里
確かに見える土踏まず。チラリズムする脇、ギリギリ見えない膝裏。
樹里、結婚しよう。
エントリーNo.12 杜野凛世
あまりにも凹み過ぎている!凹みを強調するための光なのか?
エントリーNo.13 有栖川夏葉
鍛えられた腹直筋がへそとくびれを強調する。二つの丘陵と鎖骨はまさにエベレストとマリアナ海溝の奇跡のデュエット。
エントリーNo.14 大崎甘奈
ビルの下にいた。上から影落ちる。なにかと思って上を見上げるとそこには……
エントリーNo.15 大崎甜花
落下と飛翔。凸と凹。膝、太ももと膝裏。どこまでも膝裏に沈んでいきたい。そんな気持ちを強くする。
エントリーNo.16 桑山千雪
黒い翼と白い翼。夕暮れ。太ももに落ちる影。明確な対比は彼女の持つ正の曲率から負の曲率を想起させるのに十分といえる。夜の向こう側、膝裏を求め俺は旅に出た……
エントリーNo.17 芹沢あさひ
もうね、大体の人はこの記事を開いた時点で気づいていたはずだ。このあさひを見ることになると。あさひの足のいいところ、中学生の厚さなんですよ。
エントリーNo.18 黛冬優子
俺が膝裏を好きになった日を思い出した。体育座りをするあの子の姿がよぎる。確かにこれは膝裏など見えない、しかし確かに思い出させたのだ。俺の元体験を。
エントリーNo.19 和泉愛衣
見えるか?ハイソックスの歪みが確かに膝裏を主張する。あと死ぬほどこのあさひかわいい。
エントリーNo.20 浅倉透
凹みが見えない?ノンノンだよ!(by 愛城華恋)
世界で一番素晴らしい解剖学的嗅ぎ煙草入れを持つ女、浅倉透。手を見てほしい。感じるだろう、解剖学的嗅ぎ煙草入れの波動を。昔、この部位は嗅ぎ煙草を吸うときに使われたこともあったらしい。俺は浅倉の嗅ぎ煙草入れで嗅ぎ煙草を吸いたい(煙草吸えないんだけど)
エントリーNo.21 樋口円香
絶対防衛ダンジョンこと円香の30デニール。それでもかすかに感じさせるお宝の匂いがここに。見えますでしょう、確かな凹み。
エントリーNo.22 福丸小糸
天使小糸ちゃんの足の裏と46億年迷っていたら地球ができた。やはりここは膝裏。寒いのに短い靴下はいてるんだね。多分、短めのやつでしょ。で、毛が結構抜けやすいやつ。小糸ちゃんは家に帰って靴下脱いだ後、取れた靴下の毛をちゃんと拾って捨てているんだよね。カーディガンちらりもかわいい。好き、小糸。好き。
エントリーNo.23 市川雛菜
花火と海。揺れ動き、不安定な存在と雛菜。確固たる自己を持った彼女の鎖骨は深淵。ニーチェはこれを見て、深淵ものぞいてると思ったらしい。
順番をつけるなんてそんな……と思ったけど正直こいつが最強だった。さすが芹沢
お母さんが娘の目を覆っているのは性癖開拓をふせぐため。俺たちは開拓された、そうあの凹みのように。
私にまつわるエトセトラ
これは統治行為論 Advent Calendar 2021 - Adventarの12日目の記事です
統治行為論(とうちこういろん)とは、“国家統治の基本に関する高度な政治性”を有する国家の行為については、法律上の争訟として裁判所による法律判断が可能であっても、これゆえに司法審査の対象から除外するという理論。
これってノクチルのことじゃないですか?”国家統治の基本に関する高度な政治性”←これノクチルのコミュのことだとしか思えないです。ではノクチルの話を始めます。
これあれです、俺が書きたい小説の骨組みみたいなやつを流して反応見ようみたいなやつです。
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「好きです。付き合ってください」
「あー、ごめん」
体育館裏。午後4時27分。
少女漫画的なシチューエーションの中で私の幼馴染は不自然なくらいに自然体だった。彼女の前にいる男の子(名前は知らない)が明らかに緊張している様子なのが不自然なくらいに。
中学校は義務教育だし、大半の人間が同じ中学校に行くことになる。卒業式で泣いている子が何を悲しんでいるのか理解できなかった。やっぱりといったところで当然、私と透は同じ中学校に来た。何も変わらない、そう思っていた。
中学生になってから透は告白されるようになった。小学校の時も目で追っている男(男に限らないけど)は多かったが、告白をしてくるような人はいなかった。少し見てれば告白が無意味なことくらい分かるはずなのに、この年齢特有の自信が彼らを行動させるんだろう。何はともあれ、いつも一緒に帰ってるからおのずと私はその告白を聞くことになる。恋愛というやつに特別な積極性を持った同級生が増えるのを実感するたびに少しだけもやもやとした気持ちが自分の心では生まれている。
大人になるというのはこういうことなんだろうか。恋愛に興味を持ち、異性に興味を持ち、去年までランドセルを背負っていた小学生だったのにそれはものすごく遠い過去のように感じてしまう。
「いつも待ってなくてもいいのに」
待ってくれないのは透でしょと出かかった言葉は喉元でつっかえてしまって、何も言わずに首を振った。
「別に、どうせ帰る方向一緒だから」
中学生になっても基本的には透と一緒にいたし、放課後には時々雛菜や小糸とも遊ぶ。やってることは変わってないはずなのに何となく違うという感じが自分の中から消えてくれなかった。
「お邪魔します」
「ただいまー」
透の部屋に当たり前のように雛菜がいた。
変わらない。安心。
「あ~おかえり~」
「あ、来てたんだ」
「うん~」
沈黙。別に集まったってなにもしない。黙っている時間の方が多い。話題なんてとっくに尽きていて、心地よい沈黙が一緒に過ごす時間の半分を超えていた。
「先輩って呼べだって」
透が突然、そう言った。中学校に入ってから変わったことの一つに先輩という概念がある。敬語なんて使っていなかったのに、一つしか歳の変わらない子どもがくだらない大人ごっこを始めているようで、こそばゆい感触すらあった。
「え~小学校のときはそんなのなかったのにね~」
「じゃあ、透先輩だ!」
痛い。
「ふふ、ちょっといいかも」
「透先輩、透せんぱ~い」
うるさい。
「じゃあ、円香は円香先輩か」
やめて。
「は?」
「円香せんぱ~い」
やめて。
それから少しして家に帰ることにした。居たくなかった。痛かった。変わっていくなにかが見えた。壊れてほしくない何かが。
家に帰ってすぐベッドへ向かった。人は死んでいるのが正常だと聞いたことがある。停滞、滞留、不動、不変が正常。どこまでも落ちていく自我を感じながら眠りについた。
目が覚めてもまだ時計は7の数字を少し過ぎたくらいだった。じっとしていられずにコンビニに向かう。
「なにかいるものある?」
「どこか出かけるの?」
「コンビニ」
「そう、気を付けてね」
ぽつぽつと光る電柱は睡眠に断絶された自我を思い出させた。連続性なんてどこにも存在しないのに記憶のつぎはぎが自分を連続だと認識させる。変わったのはいつ?
「あ、円香ちゃん!」
小さな幼馴染を見つけたのはお菓子コーナーの飴の棚。大丈夫。変わってない。
「小糸、夜に出歩くの危ない」
「ま、円香ちゃんだって!」
「何買いに来たの?」
「勉強してて疲れちゃったからお菓子を買いに来たんだよ」
「ふーん、偉いね小糸は」
「偉くなんて……」
「……あのね、円香ちゃん」
小糸が受験するって?どこに?なぜ?
また。痛い。
痛い。
それからどうやって帰ったのか思い出せない。何も。少し心配げな表情をした小糸の顔が頭からこべりついて離れない。
痛い。うるさい。
変わってしまいつつあるものを見た。変わってほしくないものが。そのままでいたいから。私は……
「おはよう、浅倉」
これでいい。
初恋
僕がまだ10歳になるかならないかってくらいのときだ。
親が離婚して、僕は母親に引き取られ、当時住んでた家を出て地方の県営団地に引っ越した。母の実家に帰らなかったのは今は母のプライドだったのだろうと分かる。強くて弱い人だったから逃げたと思われるのが嫌だったんだろう。
引っ越しの挨拶をしにお隣のインターホンを押した。
母は辛さを忘れようと仕事に没頭していて、僕はずっと一人だった。一人には慣れていたけれど住み慣れた家を離れたせいか、僕はどうしてもさみしくて、誰かと話したくて"引っ越しの挨拶"とやらをしてみることにしたのだ。
出てきたのはきれいな、とてもきれいな人だった。僕は少しの間、何も言うことができなかったと思う。そしたら、その人は言った。
「どうしたの」
僕は動揺しながら持ってきたものを突き出した。
「あ、あの。と、隣に引っ越してきたものです!!」
すこし声が上ずっていたと思う。その人は小さく笑って
「ふふ。なんか小糸ちゃんみたい。……上がってく?」
と言った。全然意味がわからなかった。
その人は透さんといった。部屋はとても殺風景で生活感はなかった。真ん中の小さなテーブルに一つだけ写真が置いてあり、布団が敷いてあって端には白色の大きなスーツケース。それ以外にはなにもなかった。
透さんは僕が持ってきたものを見てまた笑った。何を持っていくのが正しいのかわからなかった俺がお酒を持っていったからだ。父が時々、酒を持ってこいと怒鳴るから大人はお酒が好きなんだと思っていた。
「まだ未成年」
嘘だろって思ったけど本当にまだ19歳らしい。結局、透さんはそれを飲まなかった。その日は母が帰ってくるまで僕は透さんの家にいた。他愛のない会話がぽつぽつとあったけど、透さんも別に喋る人じゃないし僕は当然喋らない。だけれども嫌じゃない静けさが僕たちを包んでいた。
それからも時々透さんの家に行った。新しく通った小学校で友達はできなかったし、母は朝早くにでかけて夜遅くに帰ってきて僕と喋ることもなかった。今思うと、何となく寂しそうな僕に透さんも何か感じることがあったのだと思う。
ある日のことだ。透さんの部屋の前に男の人が立っていた。背が高くきれいにアイロンがかけられたスーツを着ていた。その男の人は僕がすれ違ったときに少しだけ微笑んだ。なんとなく居心地が悪くって僕は少し早足で俯きながら通り過ぎた。振り返ると男の人は
「また来るから」
と言って帰ろうとしてた。僕は勇気を出して声をかけた。
「あ、あの。ストーカー?、ですか?」
「え!?いやそんなんじゃないよ!」
「ただ、……」
男の人は透さんのプロデューサーらしかった。突然仕事をやめ、家を飛び出した透さんを探していたらしい。この人がプロデューサーとかそんな話は飲み込めなかったけど、透さんがアイドルだって話はすんなりと腹に落ちた。だってあの人は特別だと思ったから。一目見たときから透さんは普通とは違っていたから。
次の週くらいだったと思う。家のインターホンが鳴って、玄関を出ると透さんがいた。
「引っ越しの挨拶?」
「引っ越しの挨拶は行った先でやるんだよ」
なんとなく分かっていた。泣かずに言えたと思ってたけど、透さんは僕を抱きしめて言った。
「言葉にしないとわかんないことってあるよ」
それで話はおしまい。少ししてテレビで透さんを見たときは驚いたけど、彼女にはそっちのほうが似合ってた。多分、小学生のガキなりの初恋だったと思うけど、透さんは覚えてないだろう。そういう人だから。
ノクチルのメンバーの得意科目は?調べてみました!
みなさんは283プロダクション所属のアイドルユニット ノクチル をご存じでしょうか?
天塵というコミュのインパクトを忘れられない人も多いと思います。
ノクチルのメンバーは現役高校生です。好きな科目とか嫌いな科目とか、皆さん気になりますよね?ということで今回はノクチルメンバーの好きな科目を調べていきたいと思います。
浅倉透
透明感のある顔と不思議な言動でときどきネットをにぎわせる彼女ですが、好きな科目は何なのでしょうか。
ズバリ、数学です!
見えますよね、ゼミの発表中に少し詰められて「ふふ、わからん」という彼女が。
樋口円香
不器用な生き方は見るものを思春期の記憶へといざなうといわれる彼女ですが、好きな科目は何なのでしょうか。
ズバリ、数学です!
あまりにも黒板が似合いすぎるアイドルですね。おそらく彼女の講義はわかりやすいでしょう。配布資料の体裁にこだわりそうです。
市川雛菜
幸福追求権を人々に思い出させ、時折諦観を感じないでもない圧倒的人生巧者な彼女ですが、好きな科目は何なのでしょうか。
ズバリ、数学です!
感性を信じた彼女が数学をするのは必然でしょう。ゼミで時々鋭い質問を飛ばす姿が目に浮かびます。
福丸小糸
幼馴染といるときの要領の悪い子感、自己肯定感とは裏腹に努力家でひたむき、そしてノクチルで一番初めにアイドルであることに意味を見出した彼女ですが、好きな科目は何なのでしょうか。
ズバリ、数学です!
ひたむきに泥臭い計算を地道にやる彼女の姿は夢にも出てきますね!
ノクチルのメンバーは数学が好きだということがわかりました。彼女たちに教えてもらったり、ゼミを燃やされたりしたいですね。
いかがでしたか?
提督「瑞鳳、足の裏を見せてくれないか?」 瑞鳳「へ?」
提督「瑞鳳、足の裏を見せてくれないか?」
瑞鳳「へ?」
提督「あ・し・の・う・ら・み・せ・て・く・れ」
瑞鳳「聞こえなかったんじゃないわよ」
提督「じゃあ見せてくれ」
瑞鳳「……何のために見たいの?」
提督「足の裏を見たいことに理由がいるのか?」
瑞鳳「そりゃあ、人にそんなに見せるものでもないし……」
提督「ああ、だから見たいんだ」
瑞鳳「」
瑞鳳は黙って立ち去ってしまった。何か、悪いことをしてしまったのだろうか。俺は、俺は艦娘の足の裏を見たくて提督になった。戦闘というつり橋を使い、できる限り艦娘の好感度を上げてきたつもりだ。弱い提督では好感度が下がると、一生懸命戦術戦略も学んだ。この教科書の山の向こう側に艦娘の足の裏があると信じた。瑞鳳を秘書艦にして半年。もうお願いすれば5秒で見せてもらえるだろうと高をくくっていたのだが。うーーーん、これでダメなら……
私の足の裏を見たい?いきなり何を言い出すのかと思ったらそんな、そんな変態なことを……。て、提督は私のことが好きなのかしら。ううん、そんなわけない。秘書艦に選ばれて、もしかたらなんて思ったけれど、提督はずっと下ばかり向いていて、返事もなんかいつも生返事だし、私の顔なんか見なくって。でも、じゃあどうして足の裏が見たいなんていきなり……。とにかく!絶対、絶対見せないったら見せない!!!!!!!!!
「て、提督!?何をしているのよ!?」
ああ、いや瑞鳳の足の裏が見たくてな。こう寝転んでいれば上を通る瑞鳳の足の裏が見れるんじゃないかって……。おい、やめろ。痛い痛い。分かったからやめてくれ。
「……」
気にするんじゃない。そのまま入ってきなさい。瑞鳳。
執務室に入るもの土足厳禁。靴下も脱ぐこと!
おい、瑞鳳。その板を捨てるんじゃない。瑞鳳!やめてくれ!
――
瑞鳳「あのさ、提督。提督は足の裏が見たいん「ああ」だよね」
瑞鳳「なんでそんな食い気味なのよ……。わ、私の足の裏が見たいの?それとも誰の脚の裏でもいいの?」
提督「誰のってわけではない。俺は、俺は瑞鳳の足の裏が見たい」
瑞鳳「……」
瑞鳳「……じゃあ、いいよ」
提督「え、ほ、本当にいいのか?」
瑞鳳は俺を一度見あげてから、ゆっくりとしゃがみ、そして白い靴下を脱いだ。喉が鳴る。くるぶしがこんにちはしていた。靴下が踵を通過し、きれいな踵があらわになる。
ああ、おれはようやく瑞鳳の足の裏が見られるのだ。このために提督になったのだ。走馬灯のように海軍大学校でのつらい記憶がよみがえった。いつか艦娘の足の裏を見る。その一心ですべてを耐え抜いたのだ……。教官に怒鳴られたときも、理不尽な罰を受けているときも。
もうすぐだ、もうすぐ。俺は……
靴下を脱いだ瑞鳳は三角座りをしてうつむいていた。心なしか、頬が赤い。
提督「瑞鳳?」
瑞鳳「ほら、見りゅ?」
提督「……じゃあ、すまん」
人差し指が長い。ギリシャ型か。小さい足だ。俺よりもずっとずっと小さい。子供っぽい体つきをしているが、足は間違いなく大人に足だった。体の中で最も先に大人になるのは足だ。足が先に大人になるのだ。ほとんど日を浴びることのない足は彼女の生まれたままの色を示していて、それでいて先に成熟する。足はその人の人生を集約すると言ってもいい。彼女の足は何よりも雄弁に彼女を語っていた。瑞鳳の足の裏が好きなのか、瑞鳳が好きなのか。俺は……。
土踏まず!そう、土踏まずだ。土踏まずを見なくては!
人類の秘宝と言ってよいそれがあった。土踏まずにおいて何が重要視されるか。もちろんそのへこみこそが土踏まずの真価なのだが。アリストテレスは物体はあるべき場所に行こうとする性質があるといった。物体は地に住み、鳥は空に住むのだと。であれば、土踏まずが重力に反するのはなぜであろう。それは土踏まずが天に住むからだ。そして、本当に重要視すべきポイントは内反側の筋肉である。これこそが土踏まずを形成する大黒柱であり、ある意味ではエンジェルピラーというべき……
瑞鳳「も、もういい……?」
瑞鳳の目は少し潤んで、頬は紅潮していた。
提督「あ、ああ。ありがとうございました」
瑞鳳「なんで敬語になってんのよ」
それから永遠とも思える沈黙があった。時計の音だけが響く執務室で走馬灯のように今までの記憶がよみがえった。なぜだろう、思い出すのは足の裏ではなく瑞鳳の笑顔ばかりだった。
瑞鳳「あ、あのさ。提督は私のことが好きなの?」
俺は……。
提督「うん。好きだ。瑞鳳」
瑞鳳「先に!それを言いなさいよ!!!!」
それからのことは書くまでもないだろう。俺もぼーっとしていたし記憶は朧げだ。ただそれから瑞鳳と俺の距離が近すぎると鎮守府で話題になったりなんかはした。それくらいのことだ。付き合うなんていったって戦いは終わらないし、恋人らしいことなんてできやしないけれども。
瑞鳳「提督っ!おはようございます!」
提督「ああ、おはよう。瑞鳳。」
提督「なあ瑞鳳、足の裏を見せてくれないか?」
瑞鳳「バカ!!!!」
ああ、本日も鎮守府は快晴なり。
あとがき
覚えていますでしょうか、前回のリレーブログで土踏まずへの愛を語らせていただきました。こん土踏まず~イーナです。
土踏まずが天に通じるのであれば俺は地獄出身なんだろう(絶望的なまでの偏平足なのだ)
瑞鳳のセリフで足がかわいいのよね足がというものがありますけれども、彼女も足フェチだということですね。もう少し言うとですね、僕は膝裏も大好きです。膝裏に住みたい。本当はもっとまじめなssを書きたかったんですがね。どうしても抑えられない気持ちがあります。
まあこんなバカみてえなssで貴重な人生を消費させてしまい申し訳ないです。あなたの今後の人生に良い足のあらんことを。