人間ってイーナ

イーナくんの妄想置き場

提督「瑞鳳、足の裏を見せてくれないか?」 瑞鳳「へ?」

提督「瑞鳳、足の裏を見せてくれないか?」
瑞鳳「へ?」
提督「あ・し・の・う・ら・み・せ・て・く・れ」
瑞鳳「聞こえなかったんじゃないわよ」
提督「じゃあ見せてくれ」
瑞鳳「……何のために見たいの?」
提督「足の裏を見たいことに理由がいるのか?」
瑞鳳「そりゃあ、人にそんなに見せるものでもないし……」
提督「ああ、だから見たいんだ」
瑞鳳「」


瑞鳳は黙って立ち去ってしまった。何か、悪いことをしてしまったのだろうか。俺は、俺は艦娘の足の裏を見たくて提督になった。戦闘というつり橋を使い、できる限り艦娘の好感度を上げてきたつもりだ。弱い提督では好感度が下がると、一生懸命戦術戦略も学んだ。この教科書の山の向こう側に艦娘の足の裏があると信じた。瑞鳳を秘書艦にして半年。もうお願いすれば5秒で見せてもらえるだろうと高をくくっていたのだが。うーーーん、これでダメなら……


私の足の裏を見たい?いきなり何を言い出すのかと思ったらそんな、そんな変態なことを……。て、提督は私のことが好きなのかしら。ううん、そんなわけない。秘書艦に選ばれて、もしかたらなんて思ったけれど、提督はずっと下ばかり向いていて、返事もなんかいつも生返事だし、私の顔なんか見なくって。でも、じゃあどうして足の裏が見たいなんていきなり……。とにかく!絶対、絶対見せないったら見せない!!!!!!!!!

 

「て、提督!?何をしているのよ!?」

ああ、いや瑞鳳の足の裏が見たくてな。こう寝転んでいれば上を通る瑞鳳の足の裏が見れるんじゃないかって……。おい、やめろ。痛い痛い。分かったからやめてくれ。


「……」
気にするんじゃない。そのまま入ってきなさい。瑞鳳。

 

執務室に入るもの土足厳禁。靴下も脱ぐこと!

 

おい、瑞鳳。その板を捨てるんじゃない。瑞鳳!やめてくれ!

 

――

 

瑞鳳「あのさ、提督。提督は足の裏が見たいん「ああ」だよね」
瑞鳳「なんでそんな食い気味なのよ……。わ、私の足の裏が見たいの?それとも誰の脚の裏でもいいの?」
提督「誰のってわけではない。俺は、俺は瑞鳳の足の裏が見たい」
瑞鳳「……」

 

瑞鳳「……じゃあ、いいよ」
提督「え、ほ、本当にいいのか?」

 

瑞鳳は俺を一度見あげてから、ゆっくりとしゃがみ、そして白い靴下を脱いだ。喉が鳴る。くるぶしがこんにちはしていた。靴下が踵を通過し、きれいな踵があらわになる。

 

ああ、おれはようやく瑞鳳の足の裏が見られるのだ。このために提督になったのだ。走馬灯のように海軍大学校でのつらい記憶がよみがえった。いつか艦娘の足の裏を見る。その一心ですべてを耐え抜いたのだ……。教官に怒鳴られたときも、理不尽な罰を受けているときも。

 

もうすぐだ、もうすぐ。俺は……


靴下を脱いだ瑞鳳は三角座りをしてうつむいていた。心なしか、頬が赤い。

 

提督「瑞鳳?」

瑞鳳「ほら、見りゅ?」
提督「……じゃあ、すまん」

 

人差し指が長い。ギリシャ型か。小さい足だ。俺よりもずっとずっと小さい。子供っぽい体つきをしているが、足は間違いなく大人に足だった。体の中で最も先に大人になるのは足だ。足が先に大人になるのだ。ほとんど日を浴びることのない足は彼女の生まれたままの色を示していて、それでいて先に成熟する。足はその人の人生を集約すると言ってもいい。彼女の足は何よりも雄弁に彼女を語っていた。瑞鳳の足の裏が好きなのか、瑞鳳が好きなのか。俺は……。

 

土踏まず!そう、土踏まずだ。土踏まずを見なくては!


人類の秘宝と言ってよいそれがあった。土踏まずにおいて何が重要視されるか。もちろんそのへこみこそが土踏まずの真価なのだが。アリストテレスは物体はあるべき場所に行こうとする性質があるといった。物体は地に住み、鳥は空に住むのだと。であれば、土踏まずが重力に反するのはなぜであろう。それは土踏まずが天に住むからだ。そして、本当に重要視すべきポイントは内反側の筋肉である。これこそが土踏まずを形成する大黒柱であり、ある意味ではエンジェルピラーというべき……

 

瑞鳳「も、もういい……?」

 

瑞鳳の目は少し潤んで、頬は紅潮していた。

 

提督「あ、ああ。ありがとうございました」
瑞鳳「なんで敬語になってんのよ」

 

それから永遠とも思える沈黙があった。時計の音だけが響く執務室で走馬灯のように今までの記憶がよみがえった。なぜだろう、思い出すのは足の裏ではなく瑞鳳の笑顔ばかりだった。

 

瑞鳳「あ、あのさ。提督は私のことが好きなの?」

 

俺は……。


提督「うん。好きだ。瑞鳳」
瑞鳳「先に!それを言いなさいよ!!!!」

 

それからのことは書くまでもないだろう。俺もぼーっとしていたし記憶は朧げだ。ただそれから瑞鳳と俺の距離が近すぎると鎮守府で話題になったりなんかはした。それくらいのことだ。付き合うなんていったって戦いは終わらないし、恋人らしいことなんてできやしないけれども。

 

瑞鳳「提督っ!おはようございます!」
提督「ああ、おはよう。瑞鳳。」

 

提督「なあ瑞鳳、足の裏を見せてくれないか?」
瑞鳳「バカ!!!!」

 

ああ、本日も鎮守府は快晴なり。

 

あとがき

 

覚えていますでしょうか、前回のリレーブログで土踏まずへの愛を語らせていただきました。こん土踏まず~イーナです。

 

土踏まずが天に通じるのであれば俺は地獄出身なんだろう(絶望的なまでの偏平足なのだ)

 

瑞鳳のセリフで足がかわいいのよね足がというものがありますけれども、彼女も足フェチだということですね。もう少し言うとですね、僕は膝裏も大好きです。膝裏に住みたい。本当はもっとまじめなssを書きたかったんですがね。どうしても抑えられない気持ちがあります。

 

まあこんなバカみてえなssで貴重な人生を消費させてしまい申し訳ないです。あなたの今後の人生に良い足のあらんことを。