神戸大学理学部数学科編入試験に合格しました~~~~
タイトルで全部言ってるやんなんですが、神戸大学理学部数学科編入試験に合格しました~~~~~~~~~~
まあ、俺が落ちるわけねんだわ(いや本当は意外と不安だったのですが)。ということで、春から神戸に行きます。さよなら東北大学。
まあ、せっかくなんで色々勉強したこととかまとめて誰かの何かの参考になればいいかなという気持ちです(編入に向けた勉強よりもそれ以前の勉強についての話の方が長いので全然参考にならなくない?という気がしないでもない。神戸大学の編入体験記って結構いろんなものがあるのでこういうのがあってもいいよね)。
受験決定までの経緯と数学遍歴
まず、受験を決めたのは去年の10月くらいです。正確なことを言うんであれば去年の6月が受験を決めた時期で一度東北大学内で学部変えれないかと思いましたがダメみたいで、院から数学科に行くかと一度は決めるもあまりに授業がつまらなくてやめたくなったのが10月って感じですね。本格的に編入のための勉強を始めたのは2022年4月くらいからなのでそれまでに勉強したことを適当にまとめることにします。
・大学一年生
準同型までを秋にやった記憶があります。古賀さんの動画とかに助けられながらなんとかという感じ。抽象的な数学に触れた最初の本ですね、数学そのものへの入門としてもこの本はよかったと思います。演習もある程度はやりました(4章の演習は1/3くらいしかしてないけど……)
松本幸夫「多様体の基礎」
1月くらいからゼミでやりました(6月まで)。集合位相とかやってないじゃないかと思われるかもしれないですが一応一章に書いてるのでなんとかなるもんです。これきっかけで幾何学に興味を持ち色々調べたことで数学科に行きたくなってきたので僕の始まりの本ですね(この本単体だとクソつまらないのでこれを読んだら多様体で遊ぶ方向に手を伸ばしてみましょう)。
・大学二年生
小林昭七「曲線と曲面の微分幾何」
多様体の基礎が大体終わったタイミングで読み始めました。逆でもよかった気もする。線形代数と微積をある程度触っておけば読めるし何より楽しい!!!!!だいぶ忘れてるので読み返したい気持ちがあります。計算で手触りを感じながら数学出来た気がします。どうでもいいですがこれ読んでて見つけた顔文字っぽい数式の写真をあげてバカみたいにバズりました。
松坂和夫「集合・位相入門」
数学科へ転学したいという話を数学科の友人としたときにそれなら集合・位相ちゃんとやってないのやばくない?みたいなことを言われて読みました。やった方がいいです(それはそう)。面白くはないですが……(読み終えた後にこの本嫌いだなという気持ちになり内田を買い直しました。どっちでもいい気はしますがある程度数学に慣れてるなら最初から内田でいい気がします)
「連続群論入門」
東北大学内での転学ができないということになったときになんとか数学科出身の方に指導してもらう機会を作ろうとツイッターでつながっていた方に家庭教師として一緒に読んでもらったのがこの本です。夏休み終盤から次の年の2月くらいまでやったかな?めちゃくちゃいい本ですよこれ。リー群とリー代数の基本的な調べ方をSO(3)、SU(2)というドシンプル具体例を通して学べます。後半はローレンツ群の考察による複素リー代数の話だったり球関数(僕は読んでない)の話だったりとまさにリー群入門といった感じです。
上と同じような理由で東北大の先生に一緒にゼミしてもらえませんか?って言ってやってもらった本です。位相空間から始まり基本的な幾何学を総ざらいする本でこの本やったおかげでわりかし幾何の本を読むときに宇宙猫からスタートしなくなったかなと思います。マジでいい本だと思っているのでとりあえず3章までは読んでほしい。4章も結構好きです、単体に入ってホモロジーするのかなと思いきや単体の基本群の話が始まります(後半部はファンカンペンやっておけば見通しがよくなります)。
Bott Tu「Differential Forms in Algebraic Topology」
春休みに参加した数物セミナーでこれを読むことに(今もゼミしてます)。微分形式をごちゃごちゃしながら代トポの大事な概念を学べる本。めちゃくちゃ楽しいです(とても苦しいは苦しいですが)。一緒にゼミしてる人たちがみんなすごく優秀で色々良い影響を受けています。まだ2部なのでひたすらde Rhamと戯れています。
・大学三年生
幾何学ばっかりやって代数も解析もちゃんとしてなさすぎ!を反省してゼミをたてました。本当は複素解析をしたかったんですがこれが一巻だったのでフーリエから。微積の復習にもなったので実質編入試験の勉強です(嘘)。1巻でフーリエやってることからわかるようにリーマン積分の範囲でやっているので多分本来のパワーの半分くらいしか出せていない。かなり丁寧に気持ちを書いてくれているし演習もいっぱいあるので良い本だと思います(演習全然解いてないです、ごめんなさい)。
編入の勉強
演習は大体こいつです。全部やったかと言われればかなり微妙……(特に線形代数はやんなくてもいいだろと思ったのでほとんどやってない)。問題数的にも難易度的にも編入受けるような人にとっていいくらいなんじゃないかなという気持ちがあります。
演習とかしながら忘れてるなあ~って思ったら開く用の本。この辺は人によってこれだ!っていう本があると思うのでそれを読めばいいと思います。この二冊は来世にも持っていきたいくらい僕の中でバチっと来てる本です。
過去問
10年分やりました。神戸大学の過去問を当然メインでやったんですが広島大学とか金沢大学あたりの問題もたまにやりましたね。金沢はそんなに難易度変わらないと思いますが広島は結構難しい……。5~10年やればいいんじゃないかな?という気がしますね、あまりにも古いと傾向とか考えるときには参考になりづらいと思います。ほかの大学で問題が見られるものだとあとは筑波とか?いっぱいやればやるだけ安心はするので見直したりするのも含めて自分の残ってる時間で処理できるだけやっておけばいいと思います。
(書いてないので分かると思うんですけど英語はなにも勉強してません)
編入試験当日
1日目
まず数学だったんですけどいつも線形代数2問あったのが1問しかなくて死んだかもしれんと思いました(線形代数Loverなので)。やっぱり緊張したのかいつもはもっとすっと出来ただろう計算も詰まりながらでマジで焦りました。時計もっていかなかったのも悪かったですね。全問手を付けたものの計算ミスでぽろぽろとしていたのでカス~~~~~って感じです。
英語もちょっと傾向変わったのかな?数学書の抜粋ではあるんですがなんというか簡単なコラムに近いような話題のものと天書の証明からの抜粋でした。洋書で数学をしたことがあればわかると思いますが書き方は大体似たような感じになるので多少心得があって英語が苦手という人でなければ問題なく読めると思います。
2日目
面接官は四名いらっしゃいました(一人は興味ある分野の先生で知ってる人だったので余計緊張しました)。まず合否に関係ないと断ってから「昨日のでき」「卒業後の進路」「志望理由」などを聞かれました。このとき「もし不合格だったらいまいる大学で卒業するの?」みたいな質問をされ俺ラインぎりぎりなんかなとちょっと不安になったのを覚えています。
そのあとに事前に配られた資料をもとにしたゼミを行いました。解析、線形、集合の三つから選べたのですが僕は集合にしました(反例や逆の成立条件などプラスして話せることが一番多いと思ったので)。半分終わったくらいのタイミングで「もう君がどれくらいできるかわかったからいいよ。いや、最後にこれの逆の反例があるって言ってたけど構成はできる?」と言われて反例を構成したらゼミは終わりました。
さらにその後は「一人でこれを準備したの?」「他に自分で勉強したものはなに?」と聞かれました。自信もってやったと言えるのが多様体の基礎とシンガーソープだったのでそれを答えるとさらに「シンガーソープはどこまでやられたのですか?」などと聞かれて面接は終わりました。
だいたいこんな感じでしょうか。誰かの何かの参考になればいいですね。
もし、あなたが数学科に行きたいなと思っているのであれば意外かもしれないですがとにかく人と数学してください(わりかしイメージとして黙々と一人でやっているような印象があるかもしれませんが僕はワイワイとしたイメージを持つようになりました。もちろん一人で黙々とやる時間も大切ですが)。
僕もたくさんの人と数学しました。大学の友人や先生、Twitterで繋がっている人たちもそうです。もし数学をしたいなあって思っているけれど数学をするような友人がいないなら僕にdm送ってもらっていいです(質問とかに関して答えられるかどうかは別ですが数学の話ならいくらでも聞きましょう)。