人間ってイーナ

イーナくんの妄想置き場

Differential Forms in Algebraic Topologyの復習 Chapter1

 いわゆるBott Tuと言われる本、Differential Forms in Algebraic Topologyの復習したものを自分用にまとめてみようと思います(どうでもいいですがトゥー多様体の帯に世界的名著Bott Tuって書いてあるのウケますよね、人と話す中で特定の人名が教科書として扱われることはよくありますが真面目な本の帯で書かれているとシュールです)。

 

 2022年春の数物セミナーから読み始めたのですが今のところまだChapter3(まだ全体の6割くらい?)で終わる気配はありません。割とざっくりした書き方をしているところも多く適当に認めてしまっていた部分や見落とした行間などたくさんあるだろうということで復習することにしたわけです。

 

 とりあえず読む前に見ておくといいものとして(変わった人がBott Tuを読む前に参考にこの記事を見ているという可能性があれば)

 

youtu.be

 

 もなくゎさんの動画がおすすめです。これで僕はホモロジー(コホモロジー)を知りました。あとトゥー多様体(An Introduction to Manifolds)はTu先生自身がBott Tuに繋げるための多様体論の基礎ということで書かれた本なのでこちらも基本的にBott Tuを読むときに勧められるものだと思います。

 

Chapter1 de Rham Theory

§1 The de Rham Complex on R^n

 

 形式的にR^nの微分形式が導入されます。局所的にはもちろんこういう感じなのでR^nで分かっていればだいたい問題ないですが、気になればトゥー多様体を見ましょう。

 

 1次元、0次元のde Rhamコホモロジー&コンパクトコホモロジーの計算もします。コンパクトコホモロジーの場合の計算が単体ホモロジーの場合とかで係数足し合わせて写像を作り準同型定理を使うというノリと大体同じです。コンパクトコホモロジー積分を使うことが出来て嬉しいね!という気持ち。

 

 あとチェインマップと短完全列から得られる長完全列の話ですね。僕はこれで初めて完全列とか触れたので最初読んだときはなにがなんだかという感じでしたが読み直すとそれはそうということしか書いてないですね。短完全列から長完全列を得る部分については連結準同型だけ一応構成が書かれています、well-definednessはc=dc'である場合に通常のbの部分としてb-db'のようなものが取れてあとは左側の可換性とfの単射性から取れているaもexact formであることが分かるという感じです、完全性は面倒ですが頑張りましょう。

 

 最後にexercise1.7で締めなんですが、これがMayer-Vietoris系列を使わずに示せないんですよね……(なんならde Rhamコホモロジーホモトピー公理すら使ってる)。もう少しストレートに計算できないものかと考えていますが今のところ思いついていません。

 

§2 The Mayer-Vietoris Sequence

 

 smooth map f:M→Nによる引き戻しを定義する。ここもまだユークリッド空間での話です。Exrecise2.1.1は座標変換写像による引き戻しとの可換性でオーケーです。そのあとはちょろっと圏論の導入したあと、一応多様体の話をしてくれます(多様体と滑らかな写像の圏から次数付き代数への圏へと拡張するので)。そのあと書いてる1の分割は大事なので一回は追っておいた方が良いでしょう、一度追えばただの便利な魔法となります。

 

 いよいよMV系列。連結準同型がU上でρ_Vをかけ、V上でρ_UをかけるのはUかつV上の形式を拡張するときに端っこがおかしくならないようになんですが、最初見たときはなんで?なんで?ってなってましたね(連結準同型の前か、prop2.3ですね)。

 

 そのあとはS^1の計算です!パズルみたいで楽しいですね、MV系列。最後にコンパクト台のde RhamにもMVを作りに励みますが、ここでコンパクト台の複体を取るときに共変関手と見るか、あるいはproper mapに射を限定するかという選択を迫られます。共変関手を選択するのですが、これがあとでPoincare双対に繋がります。仮にproper mapの方にしたらどうなるんだろ?

 

 共変関手としたのでMVの向きは反対です。あとここでは明示的に連結準同型の形が与えられないですが、ノーマルde Rhamと同じ要領でどうなるのか分かるので考えましょう(0拡張するとd(ρ_Uω),d(ρ_Vω)ってなるやつって感じになります。ここでかけているのは素直にU上のやつにρ_Uとなっていますが今回はコンパクト台をUで持ってほしいのでこうなります)。

 

§3 Orientation and Integration

 

 積分するために向き付けの話をします。変換関数のヤコビアンがどこでも正になるようなアトラスが取れればいいわけですが、これはちびちびと進んでいってぐるっと回ると向きが変わってる!なんてメビウスなことが起こらないってことを言っています。そのあとに向き付け可能と体積形式の存在の同値性の話、(Φβ〇Φα^-1)*でdx1...dxnを通すとpositive mulitipleに移ると書いてますが、ここでいうpositive multipleとはどこでも正の関数との積に行くということです(明示的に書くならばまずΦβ*で送るとfβωに移されて、fβfαω/fαと書き換えればΦα^-1*でどこに行くかは明らかですね、ついてしまう正の関数はΦα^-1*(fβ/fα)です)。

 

 向き付け可能な場合の多様体上での積分の話が出ます。アトラスの任意性でも大活躍、1の分割。境界付き多様体の境界に向きが誘導されるという補題がありますが、最初に読んだときは2次元verしか示されていないので高次元むずいんかなあとかぼんやり考えてました。あほですね。結局考えるべきはn次の場合でもTnn(n行n列を除いた余因子行列)のヤコビアンなので同様にTn/∂ynが正であってTn/∂yi(i≠n)=0なので余因子展開を考えればTnnの方が正とわかるというだけの話です。

 

 最後はストークスですが、境界へ微分形式の向きを誘導するときに(−1)^nを付けるというのが良い仕事をしますね。割とやるだけという感じですが式自体はなかなかスマートです。かなりde Rhamの定理の本質っぽいことをすでに言っている感じですよね。境界を取ることと外微分をすることは積分を通じて仲良しになりますよという。これも多様体の場合に拡張するときに1の分割が大活躍ですね、愛しましょうpartition of unity。

 

§4 Poincare Lemma

 

 物理でもよく出てくるPoincareの補題です。ホモトピー作用素をうまく定めて証明を回しますが、これ基本天から降ってくるのでもう少し生やし方の発想を知りたいですね(まあファイバーでの積分はそれはそうという感じなので今回は良しとします)。応用としてde Rhamコホモロジーホモトピー公理(滑らかver)が示されます。ここでs1*がπ*の逆写像であるのは確かに明らかではあるのですが、この場合はホモトピー作用素積分は1からtにしないとですね。

 

 同様にしてM×Rのde RhamとMのde Rhamの同型を言っていますが、これはすぐには従いません(恥ずかしながらFFの方のツイートを見て気づきました)。チャート(Ua,Φa)によってUa×Rをユークリッド空間と同一視してこれの上でKを同様に定めます。そうすれば局所的にはユークリッドの場合と全く同じであること、結局積分に寄与しているのがRの部分だけなので変換がどうだの議論をする必要もなくwell-definedにKがM×Rで定まります。結局局所的な議論だけすればいいので問題はないのですが多少気を付けた方が良いことではありますね。

 

 そのあとはS^nのコホモロジーの計算ですが、被覆はS^n\南極 and S^n\北極と取った方がもう少し見やすいように思います。この場合共通部分はS^nから2点を除いた空間になりますが、1点除いて立体射影でR^nになったのでここからさらに1点除くと思えばS^n-1の幅あり空間とホモトピー同値になりますね。コンパクトコホモロジーのPoincareですが少し手間が増えるだけで基本は同じ事です(こっちではMで証明を行っているので上の話と同様局所的にはそう書けるのでという話が必要です)。

 

 最後にproper mapと写像度の話。proper mapがclosed mapというのは局所コンパクトハウスドルフなのでf(A)^cの任意の点について閉包がcptな開近傍があって閉包を戻してきてこの近傍とf(A)と共通部分が生まれそうなところを除外して……ですね。コンパクトコホモロジーの生成元がどう飛ぶかというので写像度の話が出ます、正則値の逆像についても言及されていますが、この辺りはミルナー微分トポロジー講義を読むと気分がよくなります。コンパクト多様体全射なものとしておきますが正則値の逆像というのは被覆度のようなものなわけで巻き付き具合を図る写像度と同じものだと感じられるように思います。Sardの定理も載ってます(これもミルナーに証明がついてます)、多様体で拡張する場合は送る側さえ第二可算ならば測度0なf(C)を可算個とか雑魚ですねという話で拡張できます。

 

§5 The Mayer-Vietoris Argument

 

 good coverはありまあす!これを使って有限個のgood coverが存在するような多様体についてあれこれしていきます。まず第一は有限次元性、これはホッジ理論とか使って解析的な議論もできるらしいですが何も知りません。

 

 コンパクトコホモロジー&de Rhamのカップリング(積分)を定義することで5-Lemmaと合わせてPoincare双対を倒します。多様体のPoincare双対はわかりやすくていいですね、一応注意ですが明記されていないのに境界が空であること(有限性も合わせるとほぼ閉多様体)が必要です(具体的には積分のwell-definednessを示す部分で使わないといけないと思います)。

 

 次はファイバーバンドルを導入してキネット&ルレイハーシュの定理です。まずは自明バンドル(単純に積の場合、つまりはキネット)を示します。この場合は二つのprojectionのpullbackをwedgeすると同型ですよというナチュラルな感じの話だし、やってることも今まで通りです。ルレイハーシュは少しばかり特殊ですが各ファイバーで生成元になるようなものを取ってきて同型を作ります。各ファイバーに制限すると生成元になる……?なんだかお知合いな気がしますね。そうです!トムさんです!ちょっとうれしくなりました。

 

 最後は閉部分多様体に対してPoincare双対から対応するコホモロジーを取れるよねという話、これはk次元部分多様体に対してこれへのinclusion mapのpullbackをn-k形式にしてからS上の積分を行うこととPoincare双対から取れるcptコホモロジーとの線型形式を同一視してという話です。最初にやったときは「これは何?」だったんですが少しくらいは面白い感じがします。コホモロジーの交差数みたいなのが幾何的に見えそうでいいんですが肝心の交差云々をよく知らないので具体例が計算できずまだまだ僕にはここだけすごくずれた話をしているように感じてしまいます……

 

§6 The Thom Isomophism

 

 えーこの章のボスです。

 

§7 The Nonorientable Case

アニメ「とぽろじっ!」を見ました!

 おはこんばんちは、イーナです。

 

 この記事は統治行為論アドベントカレンダー2022 20日目の記事です。

 

adventar.org

 

 2017年に放映されたアニメ「とぽろじっ!」はご存知でしょうか?とうちこさんをフォローされているのであれば時々ツイートされているので知っている人も多いかもしれません。最近、このアニメを見たので感想など書いてみようと思います!

 

「とぽろじっ!」あらすじ

私立可分高校に入学した小平かなはひょんなことからトポロジー愛好会に入部することに。入学式の日に助けてくれたあこがれの人は女の子!?「あなたとは同相じゃない」なんて言われたけどみつけてせます、あなたと同じ不変量!

 

 1話はかなり百合っぽい導入でしたが、全体ではそこまでそれメインって感じじゃなかったですね。後半はゆかりちゃんのポンコツさが目立ってて、かなちゃんがそこまで好き好きって感じではなくて保護者ムーブになりつつありました。

 

 1話タイトルは「運命に収束するコーシー列」。だいたい、どんなアニメか分かりますよね。やたらと湿度高めに書かれていたゆかりちゃんとかなちゃんの出会いのシーンは制作側のちょっとした気合いを感じましたね、艶めかしい感じだった。1話で出てきたもので一番重要そうなのはぼろぼろになった松坂集合位相ですかね?かなちゃんのお母さんの写真が表紙裏に貼られていました(そんなやついる????)。

 

(どうでもいいですが、ニコニコ百科事典によると原作漫画のキャラ紹介ページにてゆかりちゃんは斎藤毅の集合と位相推しと書かれているらしい。なんかわかる。あとちなみにファンの方が同じ松坂買おうと思っても今は表紙変わっちゃってるんですよね。古本で買いましょうファンの皆さん)

 

 あ、あとかなちゃんがつけてるピアス(これが理由でゆかりちゃんに同相じゃないと言われます)ですが、メビウスの帯になってますね。これは8話「ハウスドルフな二人」にてゆかりちゃんと喧嘩してしまったことをお父さんに伝えたときに、かなちゃんのお母さんが「裏表のない人になってほしい」という思いで形見に残したという話が明かされます。これがきっかけでゆかりちゃんにちゃんと自分の気持ちを伝えることを決めるキーアイテムになってました。

 

 片耳ピアスのつける方で性的対象がどうこうを意味するみたいな話はありますが、どうなんでしょうね。どうでもいいですが形見の片耳ピアスってウケますね。

 

 屈指のギャグ回の4話とか、ラストの友情の不変量とかももちろん良かったんですが、個人的にはトポロジー愛好会お泊り回(7話)がかなり好きでした。トーラス抱き枕がないと寝られないゆかりちゃんかわいい(中古なら当時グッズで売られていたゆかりちゃんのトーラス抱き枕がAmazonにあったんですが抱き枕の中古って普通に嫌ですよね)。

 

 ここまで触れていませんが、7話は部長がトポロジー愛好会を作った経緯が語られましたね。「私、中学の時は1点集合だったの」と友達のできなかった中学時代の話が語られるんですが、ここまで部長のことを見てきた人はお気楽なキャラクターだと思っていたので演技だった?というかそういうコミュニケーションの取り方しか分からなかったということが分かります。そのあとのゆかりちゃんのセリフがいいんですよね。

 

「1点は、0次元多様体。群にもグラフにも、自明な順序集合にもなる。なんにでもなれる可能性の時間。孤独な時間が将来のためになってる。だから、部長は愛好会を作ったし私たちと友達に、共通する近傍を持つ元になれた」

 

 いやあ、そうだよね。人とかかわる時間ももちろん大事なんだけど孤独な時間に作り上げた自己がそういう友人関係の中でも大事になってくれるわけで。

 

 最後に、最終回の二人のセリフでこのブログを締めようと思います。

 

 「みつかった?私とあなたの不変量」

 「うーーーん、思い出?かな。時間も空間も関係ない、この一年の思い出があればあたしはいつでもゆかりちゃんのことを思えるよ」

 

 いいアニメでした。

ミルナーのモース理論第二部リーマン幾何への速成コースを読みました!

  以前、シンガーソープを読んだ記事を書きました。

 

fineman.hatenablog.jp

 

 シンガーソープの7章はリーマン幾何学なんですけどどうにも接続の定義が理解できずに別の本でやることになりまして、ミルナーのモース理論という本を読みました。これ自体はモース理論やさらに道空間、対称空間への応用がメインの本なんですが第二部にリーマン幾何への速成コースという章があり大体30ページくらいで大枠を学べる感じになっているということでこちらの本でサクッとリーマン幾何をやることに。(サクッとはいかなかったのですが)

 

 以前の記事と同様、参考にした本やコメントなどまとめてみようかなと思います。

 

§8 共変微分

 

 接続の定義から開始なんですがちょっと普通の導入と違うのかな?まず接ベクトルについての共変微分から導入され、それのある種の滑らかさをグローバルに持ったものとして接続が導入されます。一般にはベクトル場の上の演算として定義されることが多いですが、ミルナーの導入では∇_X Yの点pにおける値はX(p)とYのp近傍のふるまいで決まることが意識しやすいですね。(これ自体は一般的な導入における第一変数における関数の透かしに依ります)

 あとはLevi Civita接続の定義もちょっと他の本と違うかもしれません(他の本は2冊しか参照していませんが)。距離に適合するという条件が平行移動の内積不変性で定義されています。もちろんほかの本における距離に適合するという条件とは同値なことが計算すれば分かります。

 これはどうでもいいといえばどうでもいいですが接続の記号がきもいので全部直した方が良いです。

 西川先生の幾何学的変分問題の1章3節までを大変参考にしました。かなり丁寧で良いです。例えば∇_X Yのチャート上の表示を得るためにはopen setへの∇の制限が自然に得られることに注意しなくてはなりませんがこの辺りは特段ミルナー先生の本では言及がありません(出来そうかつ本質的ではないと思いますが)。西川先生の本ではそういう細かい部分にも言及があります。多少慣れていれば上の主張は2つのcoverからなる1の分割とか考えればわかると思います(2つのcoverからなる1の分割とかの話がピンとこなければ例えばWarnerの11ページを見れば良いです)。

 

§9 曲率テンソル

 

 題名通り曲率テンソルの節ですが断面曲率やリッチテンソルスカラー曲率などについては基本的に扱いません。ここは見ておくだけでもいい気がしますが他の本で見た方が良いと思います。基本的には計算するだけの章なのでちょっと退屈でしたね。

 こちらも基本的には西川先生の幾何学的変分問題を参考にしました。2章2節ですね。チャート上での各種テンソルの関係など見ておくと特に物理屋さんがよく見るテンソルの話になってくると思います(この辺りを読んで友人の物理学徒がよく言ってる話がきちんと理解できた気がしました。結局物理はチャートを与えて議論しているということが大事ですね。変換則でテンソルを定義するのもずっとチャートを取って話を勧めているからですね)。

 あと、断面曲率とか見た後だと古典曲面論が具体例として見えてくると思います。正直、テンソルで定義されてばーっと話が進んでもなんとなくイメージができないのですが小林曲線と曲面の微分幾何を読み返してある程度イメージがつかめたかなと。なかなか楽しいです。抽象的な議論と具体的な古典論をいい感じで両方書いてくれてそうなのがTuのDifferential Geometryかなあって感じがしました。こいつを次に読もうと思っています。

 

§10 測地線と完備性

 

 測地線、測地線からごちゃごちゃして考えられる局所的な良い近傍の存在。最短性やそれによる距離位相について書いている章です。測地線はまあ雑に言えば加速度0の運動なので初期値と初速度が決まっていればあとの軌跡が決まりますよねということでもろもろの一意性が成り立ってますね(ODEの一意性と存在性を追っていないので物理的直観で納得することにしています……。いつかちゃんと見ます、モチベが生えたら……)。測地線とかの話を一番最初に見たのは数理科学・別冊多様体の広がりですがこちらも等速直線運動の軌跡という書き方をしていましたね(一つの見方として)。距離空間としての完備性と測地的完備性(指数写像の定義域が全域)が同値であることを示すHopf Rinowがこの節のメインです、測地的完備性の定義が西川先生の本とずれていましたがこれもまあ同値です(exp_q (tv)がtが自由に動けるならば当然すべてのT_qMの元で定義できています。測地線の斉次性から従います。ちっちゃい範囲では定義されているので結局全部伸ばせて接平面がかけるということですね)。

 これも大体西川先生の本と見比べながらという感じでした。1章4、5節と2章4節ですね。

 

 はい、ということでだいぶ西川先生の本におんぶにだっこという感じでしたね。ミルナー先生の本はかなり簡潔に書かれているのでこれでざっと読んでから気になるところがあれば西川先生の本を読んでみるといいかもしれません。あと、測地線のあたりは坪井多様体入門7章なんかも結構書いてありました。古典的な測地線の話は小林曲線と曲面の微分幾何にもありますね。

 とりあえずって感じのところまで読んだので西川先生の本の2章5節でリーマン幾何の応用の話を見た後(演習で書いてますが例えば断面曲率が正、コンパクト連結偶数次元リーマン多様体は単連結あるいは基本群がZ/2Zとなることがわかったりするみたいです)、TuのDifferential Geometryを読みたいですね。あとは第二部から先にやってしまいましたがまだちゃんと第一部読んでないので(ざっとのぞいただけ)これも読みたいです。

 あと最後にリーマン幾何の発展的な話について少しだけ先生にお話を聞きました。例えばスカラー曲率は多様体上の関数なのですが、ある多様体上の関数が与えられたときにその関数をスカラー曲率にするような計量が入るか?あと比較定理とかの話を聞きました。曲率等の不等式と多様体内の球面の体積や三角形の線分の長さについての不等式の同値性みたいな話っぽいですね。例えばこういう話みたいです。

 

www.youtube.com

 

 なかなか楽しそうですね。個人的にはもう少しぐねぐねした幾何学に興味があったのですがやってみると微分幾何とかも面白そうだなあと思いました。これから8カ月ほど僕は暇な時間があるので(3年次編入を3年生で受けたのでラグがある)いろいろ勉強していきたいなという感じです。

 最後にゼミをしてくださったFnn先生、全然関係のない工学部の学生とシンガーソープからミルナーのモース理論まで一年弱もゼミしていただいてありがとうございました!!!!!!!!!!!!!!!数学がもっと好きになるゼミになりました。

 

幾何LOVE!!!!!!!!!!!!!!!

 

 

神戸大学理学部数学科編入試験に合格しました~~~~

 タイトルで全部言ってるやんなんですが、神戸大学理学部数学科編入試験に合格しました~~~~~~~~~~

 

 まあ、俺が落ちるわけねんだわ(いや本当は意外と不安だったのですが)。ということで、春から神戸に行きます。さよなら東北大学

 

 まあ、せっかくなんで色々勉強したこととかまとめて誰かの何かの参考になればいいかなという気持ちです(編入に向けた勉強よりもそれ以前の勉強についての話の方が長いので全然参考にならなくない?という気がしないでもない。神戸大学編入体験記って結構いろんなものがあるのでこういうのがあってもいいよね)。

 

受験決定までの経緯と数学遍歴

 

 まず、受験を決めたのは去年の10月くらいです。正確なことを言うんであれば去年の6月が受験を決めた時期で一度東北大学内で学部変えれないかと思いましたがダメみたいで、院から数学科に行くかと一度は決めるもあまりに授業がつまらなくてやめたくなったのが10月って感じですね。本格的に編入のための勉強を始めたのは2022年4月くらいからなのでそれまでに勉強したことを適当にまとめることにします。

 

・大学一年生

 

雪江明彦「代数学1群論入門」

 

 準同型までを秋にやった記憶があります。古賀さんの動画とかに助けられながらなんとかという感じ。抽象的な数学に触れた最初の本ですね、数学そのものへの入門としてもこの本はよかったと思います。演習もある程度はやりました(4章の演習は1/3くらいしかしてないけど……)

 

松本幸夫「多様体の基礎」

 

 1月くらいからゼミでやりました(6月まで)。集合位相とかやってないじゃないかと思われるかもしれないですが一応一章に書いてるのでなんとかなるもんです。これきっかけで幾何学に興味を持ち色々調べたことで数学科に行きたくなってきたので僕の始まりの本ですね(この本単体だとクソつまらないのでこれを読んだら多様体で遊ぶ方向に手を伸ばしてみましょう)。

 

・大学二年生

 

小林昭七「曲線と曲面の微分幾何

 

 多様体の基礎が大体終わったタイミングで読み始めました。逆でもよかった気もする。線形代数微積をある程度触っておけば読めるし何より楽しい!!!!!だいぶ忘れてるので読み返したい気持ちがあります。計算で手触りを感じながら数学出来た気がします。どうでもいいですがこれ読んでて見つけた顔文字っぽい数式の写真をあげてバカみたいにバズりました。

 

松坂和夫「集合・位相入門」

 

 数学科へ転学したいという話を数学科の友人としたときにそれなら集合・位相ちゃんとやってないのやばくない?みたいなことを言われて読みました。やった方がいいです(それはそう)。面白くはないですが……(読み終えた後にこの本嫌いだなという気持ちになり内田を買い直しました。どっちでもいい気はしますがある程度数学に慣れてるなら最初から内田でいい気がします)

 

「連続群論入門」

 

 東北大学内での転学ができないということになったときになんとか数学科出身の方に指導してもらう機会を作ろうとツイッターでつながっていた方に家庭教師として一緒に読んでもらったのがこの本です。夏休み終盤から次の年の2月くらいまでやったかな?めちゃくちゃいい本ですよこれ。リー群とリー代数の基本的な調べ方をSO(3)、SU(2)というドシンプル具体例を通して学べます。後半はローレンツ群の考察による複素リー代数の話だったり球関数(僕は読んでない)の話だったりとまさにリー群入門といった感じです。

 

シンガー=ソープ「トポロジー幾何学入門」

 

 上と同じような理由で東北大の先生に一緒にゼミしてもらえませんか?って言ってやってもらった本です。位相空間から始まり基本的な幾何学を総ざらいする本でこの本やったおかげでわりかし幾何の本を読むときに宇宙猫からスタートしなくなったかなと思います。マジでいい本だと思っているのでとりあえず3章までは読んでほしい。4章も結構好きです、単体に入ってホモロジーするのかなと思いきや単体の基本群の話が始まります(後半部はファンカンペンやっておけば見通しがよくなります)。

 

Bott Tu「Differential Forms in Algebraic Topology」

 

 春休みに参加した数物セミナーでこれを読むことに(今もゼミしてます)。微分形式をごちゃごちゃしながら代トポの大事な概念を学べる本。めちゃくちゃ楽しいです(とても苦しいは苦しいですが)。一緒にゼミしてる人たちがみんなすごく優秀で色々良い影響を受けています。まだ2部なのでひたすらde Rhamと戯れています。

 

・大学三年生

 

プリンストン解析学講義Iフーリエ解析入門」

 

 幾何学ばっかりやって代数も解析もちゃんとしてなさすぎ!を反省してゼミをたてました。本当は複素解析をしたかったんですがこれが一巻だったのでフーリエから。微積の復習にもなったので実質編入試験の勉強です(嘘)。1巻でフーリエやってることからわかるようにリーマン積分の範囲でやっているので多分本来のパワーの半分くらいしか出せていない。かなり丁寧に気持ちを書いてくれているし演習もいっぱいあるので良い本だと思います(演習全然解いてないです、ごめんなさい)。

 

 

編入の勉強

 

明解演習 微分積分/線形代数

 

 演習は大体こいつです。全部やったかと言われればかなり微妙……(特に線形代数はやんなくてもいいだろと思ったのでほとんどやってない)。問題数的にも難易度的にも編入受けるような人にとっていいくらいなんじゃないかなという気持ちがあります。

 

谷川浩司線型代数」/笠原晧司「微分積分学

 

 演習とかしながら忘れてるなあ~って思ったら開く用の本。この辺は人によってこれだ!っていう本があると思うのでそれを読めばいいと思います。この二冊は来世にも持っていきたいくらい僕の中でバチっと来てる本です。

 

過去問

 

 10年分やりました。神戸大学の過去問を当然メインでやったんですが広島大学とか金沢大学あたりの問題もたまにやりましたね。金沢はそんなに難易度変わらないと思いますが広島は結構難しい……。5~10年やればいいんじゃないかな?という気がしますね、あまりにも古いと傾向とか考えるときには参考になりづらいと思います。ほかの大学で問題が見られるものだとあとは筑波とか?いっぱいやればやるだけ安心はするので見直したりするのも含めて自分の残ってる時間で処理できるだけやっておけばいいと思います。

 

(書いてないので分かると思うんですけど英語はなにも勉強してません)

 

編入試験当日

 

1日目

 

 まず数学だったんですけどいつも線形代数2問あったのが1問しかなくて死んだかもしれんと思いました(線形代数Loverなので)。やっぱり緊張したのかいつもはもっとすっと出来ただろう計算も詰まりながらでマジで焦りました。時計もっていかなかったのも悪かったですね。全問手を付けたものの計算ミスでぽろぽろとしていたのでカス~~~~~って感じです。


 英語もちょっと傾向変わったのかな?数学書の抜粋ではあるんですがなんというか簡単なコラムに近いような話題のものと天書の証明からの抜粋でした。洋書で数学をしたことがあればわかると思いますが書き方は大体似たような感じになるので多少心得があって英語が苦手という人でなければ問題なく読めると思います。

 

2日目

 

 面接官は四名いらっしゃいました(一人は興味ある分野の先生で知ってる人だったので余計緊張しました)。まず合否に関係ないと断ってから「昨日のでき」「卒業後の進路」「志望理由」などを聞かれました。このとき「もし不合格だったらいまいる大学で卒業するの?」みたいな質問をされ俺ラインぎりぎりなんかなとちょっと不安になったのを覚えています。

 

 そのあとに事前に配られた資料をもとにしたゼミを行いました。解析、線形、集合の三つから選べたのですが僕は集合にしました(反例や逆の成立条件などプラスして話せることが一番多いと思ったので)。半分終わったくらいのタイミングで「もう君がどれくらいできるかわかったからいいよ。いや、最後にこれの逆の反例があるって言ってたけど構成はできる?」と言われて反例を構成したらゼミは終わりました。

 

 さらにその後は「一人でこれを準備したの?」「他に自分で勉強したものはなに?」と聞かれました。自信もってやったと言えるのが多様体の基礎とシンガーソープだったのでそれを答えるとさらに「シンガーソープはどこまでやられたのですか?」などと聞かれて面接は終わりました。

 

 だいたいこんな感じでしょうか。誰かの何かの参考になればいいですね。

 もし、あなたが数学科に行きたいなと思っているのであれば意外かもしれないですがとにかく人と数学してください(わりかしイメージとして黙々と一人でやっているような印象があるかもしれませんが僕はワイワイとしたイメージを持つようになりました。もちろん一人で黙々とやる時間も大切ですが)。
 僕もたくさんの人と数学しました。大学の友人や先生、Twitterで繋がっている人たちもそうです。もし数学をしたいなあって思っているけれど数学をするような友人がいないなら僕にdm送ってもらっていいです(質問とかに関して答えられるかどうかは別ですが数学の話ならいくらでも聞きましょう)。

 

トポロジーと幾何学入門を読みました

 

 シンガー=ソープの「トポロジー幾何学入門」を2021年9月から先生にお願いして一対一でゼミをしてもらってたんですがようやく読み終えました!工学部に所属しているしマジでどこの馬の骨ともわからない学生のために毎週時間を使っていただいてお世話になった先生には本当に感謝でいっぱいです。(全部読んだわけではなく7、8章は読んでいません。7月以降別の本でリーマン幾何だけやっちゃおうとのことでした。まあキリが良いのでこのタイミングでまとめを……)

 

 本の内容についてですが、

1章 位相空間

2章 (続)位相空間

3章 基本群と被覆空間

4章 単体的複体

5章 多様体

6章 ホモロジー理論とド・ラム理論

7章 曲面のリーマン幾何学

8章 R^3に埋め込まれた多様体

と基本的に学部で学ぶ幾何学全般を取り扱った本になっています(曲面論だけ書いてないかな?)。しかもこんだけ書いてて230ページ(!?)しかなくて振り返ると恐怖しかないです。

 

 今回はこの本で扱っていないが他の本を参照しながら抑えておいた方がいいと僕が感じたもの、また各章において副読本として使えそうなものをまとめてみようかなと思います。薄く濃密な分、気持ちの部分などは書かれていないのでたんぱくに感じてしまうかもしれませんが特に前半部は丁寧に書かれているので二年生とかからも読めると思います(僕も二年の秋から読んでいますし)。こういう俯瞰的な本はLOVEを見つけるうえでとっても役に立つと思っているのでほんとに好きです。

 

1、2章 位相空間

 集合論パートは驚異の5ページ。ほんとに必要な部分だけしか扱っていないので多少知っていないとしんどいかもしれません。位相空間に関しても必要な分をという感じですがチコノフの定理、ティーツェの拡張定理、ベールのカテゴリー定理とかもしっかり扱っていてじっくり格闘すれば基本事項は十分身につくような内容になっていると思います。集合位相通して50ページなので分厚い集合位相の本とバウトするのはしんどいと思うならこの本は勧められそうです。

 

おすすめの副読本・サイト

 

松坂 「集合位相入門」

 特に集合パートで気になるところがあればこちらを参照してみるといいかもしれません。かなり丁寧に書かれている印象があるので。位相は読まなくていいです。

 

内田 「集合と位相」

 こちらは位相パートで参考にしました。ウリゾーンの補題のある部分で選択公理を使わなくてはいけないのですがシンガーソープでは特段言及されていなかったのですが内田の方には書かれていました。あとは基本近傍系・開核作用子の話とかはシンガーソープでは扱っていないのでこちらを見てみるといいと思います。9章も読みたいですね……。

 

mathpedia

入門テキスト「位相空間論」 - Mathpedia

  

 まとまっているので個別の事項を探したいときによく参照しました。シンガーソープでは正規だけど正則じゃない空間の例がなかったのでmathpediaで探した気がします。

 

集合と位相とかわいい触手持ち少年

https://ncode.syosetu.com/n3119fo/

 

 頭おかしいよ(誉め言葉)。1、2章を読み終わってなんとなく位相空間についての知識が身についてから読むといいと思います。まだ全部読んだわけではないんですが結構面白いです。

 

チコノフの定理の証明の概略 - 再帰の反復blog

 

チコノフの定理について丁寧に。証明の流れやツォルンを使わないとどこがダメなのかなど分かりやすく書かれています。本文でも極大原理を何故使うのかみたいなのはコメントがありますがいろいろ見てみて損はないです。

 

π-Base

 

位相空間の例、反例を調べるときにめっちゃ使いました。反例があるかどうか、逆が成り立つか。成り立たないとすればどのあたりにギャップがあるのかをちゃんと認識したいと思って色々調べたりしたんですがなんか意味あるかどうかって言われたらわからん。楽しいからいいだろ?

 

3章 基本群と被覆空間

 基本群をささっと構成しホモトピー不変性を確認。そのあとは被覆空間の理論に移ります。ファンカンペンの定理、高次ホモトピーについての話は特にないので他の本で見といた方が良いかなという感じがします。あとは閉曲面の分類定理とか?位相空間を学んではじめはなんでこんな抽象的なことを考えなくちゃいけないんだとなった人が実際に役に立つ場面にすぐ出会えるいいものになっていると思います。ポアンカレ球面の話とか、ホモトピー完全系列とかBott周期性とかも勉強したいですよね……

 

おすすめの副読本・サイト

 

坪井 「幾何学II ホモロジー入門」

 

 この本の1章がホモトピーの話ですね。高次ホモトピーの可換性とかファンカンペンとか書いてるので見てみるといいかもです。問題もいっぱいあるので3章読みながら理解の確認にもなると思います(ムズカシイデスガ……)。授業動画の方もあります。大体3回くらいまでがホモトピーの話かな?

 

久賀「ガロアの夢ー群論微分方程式

 

 絶対読むべき!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!(終了)

でもいいんですが、真面目に書きます。なんでこんなわかりやすく説明できるんだろうか。基本群と被覆空間の理論についての健全なイメージが生える本です。初めて基本群等々に触れるならこれを読んでおいた方が掴みやすいかなと思います。

 

横田「群と位相」

 

 普遍被覆の構成とかあと普遍被覆群の構成とかちょっとのぞいた。証明が長すぎてわけわからなくなったので別の本を覗いてみたかっただけなんだけどこの本自体めちゃくちゃ良さそうなので別でちゃんと読みたいですね。

 

Allen Hatcher's Homepage

 

Hatcher先生のホームページ。代トポの教科書も見れます。いうて真面目に読んだわけではなくてなんか困ったら覗いてみたら面白いかも的な。

 

被覆空間のGalois理論 | もちもちモチーフ

 

ガロア被覆等々についてまとまったやつ。ちょっと議論が違ったりするので自分としてわかりやすい方を見たらいいです。ルベーグの被覆補題とか書いてるの良いですね。なんかシンガーソープで勝手にどこかで使ってました。

 

4章 単体的複体

 単体複体の導入をしてなぜかedge path groupの方へ。ホモロジーはここではやらないで6章に回っています。ほかの本となんか単体の定義が少しだけ違うけど本質的には変わらない。んー大事になってくるのはde Rhamの時かな?

 

田村「トポロジー

 

単体複体に関してはこれ以上にないくらいに詳しい。ホモロジーも含めて詳しいけど2章が単体複体自体の話かな?なんか記号が変な気がするので自分でノート取る時は書き換えればいいと思います。ホモロジーのときにも言及するつもりなのでさっぱりめで。

 

5章 多様体

 もともと別の本で多様体はやっていたのでゼミの時はいくつか話題をピックアップしてという形になりました。この本もめちゃくちゃきれいにまとまっていていいかもしれません。1の分割はほかの本でちゃんと見ておいた方が良いと思います。

 

松本「多様体の基礎」

 

 多様体の基礎の基礎みたいな本。これより優しい数学書はないかもしれません。あまり慣れないなあと思えばこの本を参照してもいいかもですがシンガーソープをここまで読んでいる人ならちょっと冗長かも。

 

坪井「幾何学I多様体入門」

 

 逆関数定理、陰関数定理の証明とその多様体的な見方はかなりこの本に助けられた気がする。マニアックな話題が多く新しい知識が得られる。特にシンガーソープは定義どーん!なのでなんでこの定義なの?って思ったりするならこの本の1、2章を読めばいいと思う。授業動画もあるのでぜひ!

 

Warner「Foundaitions of Differentilable Manifolds and Lie Groups」

 

 これの1、2章はかなりまとまった多様体の入門という感じ。入門?なのかはちょっとわからないけど。微分形式のあたりの導入がめっちゃちゃんとしているのでこれ見てみるといいかもしれない。あと1の分割とか。この本、真面目に読みたいですねみたいな気分がすごいんですが時間がなくて困っています。

 

6章 ホモロジー理論とド・ラム理論

 

 単体分割を仮定してド・ラム理論を。よくある特異ホモロジーではなくて単体ホモロジーの双対を使って証明されています。うーーーーーーーん、どうなんだろ。

 

田村「トポロジー

 

この章で単体ホモロジーが導入されて位相不変量ですみたいなのがファクトとして扱われますがかなり非自明なので知りたいなと思ったときに見たのがこの本。基本的に単体ホモロジーホモロジーの公理を満たすことは特異ホモロジーとの同型を示して使うみたいなんですがこの本は珍しく直接証明です。計算もかなり丁寧に書いているので読めば読めます。良い本です。

 

坪井「幾何学III微分形式」

 

もし、単体分割とか非自明だろ。どんなにつらくてもコンパクト多様体の単体分割を知るんだという人がいればこの本の最後を見ればいいと思います。えぐいページ数の証明が載っているので根気があればぜひ。僕は根気がなかったので眺めてフィニッシュです。いつかは追いたいですね(遠い目)

 

 

 だいたいこんな感じでしょうか。ほかにも参照したものや調べたものはいっぱいある気もしますが主力はこいつらかな?先生がこの本を選んでくださって本当に良かった。幾何学を広く勉強しLOVEを見つけ基礎的な事項を抑えるのには最適な本だと思います(あとは曲面論を見ておいたら学部で学ぶ幾何学はある程度抑えられたことになるのでは?小林の曲面の微分幾何が好きなのでぜひ)。リーマン幾何の章が辛く、先生に「この定義がぴんと来ません」みたいな話をしたら別の本でリーマン幾何だけしようかということになったので多分ミルナーのモース理論をあたりを読むことになりそう。

 

お疲れ様でした!!!!!!!!!!!

 

ギリギリアウトらしい新歓記事の墓場

 解剖学的嗅ぎ煙草入れ、この言葉に聞き覚えがある人はどれくらいいるのでしょうか。まだこの言葉の意味を理解する瞬間を待っている人が人類の過半数を占めているという事実に僕は感動を禁じ得ない。

 

細身の女の解剖学的嗅ぎ煙草入れで酒が飲みたい。

 

ちょっとアンニュイな感じで、ピースを吸うショートカットの女。

 

細身の女の解剖学的嗅ぎ煙草入れで酒が飲みたい。

 

ロックのウイスキーを飲んでいる細身な彼女。

 

細身の女の解剖学的嗅ぎ煙草入れで酒が飲みたい。

 

 ああ、取り乱してしまいました。まずは解剖学的嗅ぎ煙草入れとはなにかというところからおそらく説明した方がよいでしょう。

 

 解剖学的嗅ぎ煙草入れ、タバチエールというのは手の親指を外転させたときに付け根のあたりにでるくぼみのことです。

 まあこの説明で世界に現存するエロースのすべてを超越するくぼみへの感動に打ち震えている人もいるでしょう。しかし、まだ足りません。私が今考えていることは

 

細身の美少女の解剖学的嗅ぎ煙草入れで酒を飲む

 

 これです。

 

 いいですか?想像してみてください。背の高い、そうですね173cmにしましょう。奇数です。奇数にまつわる女の方がよりスケベです。173cmでひどく細身です。おそらく運動なんてのはしません。ご飯もそれほど食べないでしょう。栄養が足りていないのか目に力はありませんが切れ長で一瞬の隙を見逃さないようなそんな感じがします。生き物として負けている感覚は身体的にはないはずなのにどこか臆してしまうような力強さがあります。この世界ではないどこかで恐ろしいエネルギーを持て余してこちらの世界に余剰分がはみ出しているような、そんな感じです。そんな細身な女が大きな単行本を読んでいます。持てるのか?と心配になるような分厚くてなんだか魔女が持っていそうな本です。片手で持っているから親指が外転し魅力的なくぼみがあなたから少しだけ見えます。場所はどうしましょう。駅からは近いのに人のあまり通らない路地のすこし薄暗い、あなたの好きな喫茶店にしましょうか。あなたはもう温くなってしまったコーヒーを飲んで勉強も一息つきあたりをぐるっと見ましたところその女を見ました。

 その女の恐ろしく魅力的な解剖学的嗅ぎ煙草入れを見てあなたは思わず唾をのみます。ごくん。静かな、どこまでも静かな喫茶店だからもしかしたらこの音があの女に聞こえるんじゃあないかとあなたは不安に思う。そこであなたは考えるわけです。この温いコーヒーは放っておいてあの女の深く暗く美しいくぼみで酔いたいと考える。きっと格別な味がすることでしょう。きっとです。何を飲むのがよいだろうかとあなたは思案します。酔うために買ってあるような家にある酒ではいけないと、あなたは思うのです。あの女のための酒を用意しなくてはと。

 

 どうですか?言ってることが分かりますか?解剖学的嗅ぎ煙草入れで酒を飲みたい。いたって普通のいたって常識的欲求なんです。

 

 さて、せっかく艦これ同好会の記事ですから誰かモデルを決めてその艦娘の解剖学的嗅ぎ煙草入れで飲みたい酒を考えましょう。

 榛名で行きましょう。戦艦はおそらく背が高い。高速戦艦とも呼ばれていたからある程度細身だと考えてもよいでしょう。考えるお酒ですがここでは僕が東北に住んでいることもあって東北の日本酒から選んでいくことにします。

 

赤武(AKABU)

 

 まず選んだのは赤武です。これを選んだ理由は酸味!酸っぱいお酒を解剖学的嗅ぎ煙草入れで飲めば思わず死ぬほどうまい汗なんじゃないかと勘違いすること間違いなしです。

 

日高見

 

 世界三大漁業の一つ、金華山沖に蔵を持つ日高見を選びました。うまい魚に合う酒を造るということを目標に作られただけあって刺身などの愛称は抜群です。榛名と海を見ながら海の厳しさ、海の恵みに思いをはせて解剖学的嗅ぎ煙草入れでグイっと行きましょう。

 

飛露喜

 

 王道オブ王道の酒をチョイスしました。シンプルにうまい。これがある意味シンプルにかわいい榛名に一番合うと思います。ただかわいい女とただうまい酒を飲む。これより幸せなことはない!

 

 仙台在住、手に強い執着を持つ。ほとんど吉良吉影ですよね。

 

 

ノクチルのメンバーにおすすめ数学書聞いてみた『集合位相編』

 

f:id:fineman:20220107101714j:plain線形代数微分積分の本も紹介しているのでこちらも参考にしてくださいね~」

 

fineman.hatenablog.jp

 

fineman.hatenablog.jp

 

f:id:fineman:20211009103812p:plain

 

f:id:fineman:20220106155228j:plain「ほんとに誰が見るの、これ」

 

f:id:fineman:20220106155249j:plain「趣味だってプロデューサーの」

 

f:id:fineman:20220106155316j:plain「雛菜は楽しいよ~?」

 

f:id:fineman:20220106155204j:plain「きょ、今日は集合位相の本の紹介だよ!」

 

福丸小糸 おすすめの集合位相の本 

 

藤田博司『「集合と位相」をなぜ学ぶのか』

 

f:id:fineman:20220106155249j:plain「あー、教科書じゃないんだ」

 

f:id:fineman:20220106155204j:plain「う、うん。線型代数微分積分も高校生で触ったこともあるし実感が湧きやすいけど集合位相はそもそもなんでそんなことを考えるのかってそれ自体がギャップあるような気がしてて、そこのギャップを解消する本を紹介したいなって」

 

f:id:fineman:20220106155228j:plain「いいんじゃない」

 

f:id:fineman:20220106155204j:plain「し、集合論や実数論などを厳密にやる必要が生じた経緯を数学史を振り返りつつ丁寧に書いているよ!しっかりした定義を学ぶ本というよりも集合と位相を学ぶモチベーションをそれなりにきちんと知りたいときに読む本といった感じかな。集合位相を学ぶ前と後に副読本として使うのが一番いいんじゃないかな」

 

f:id:fineman:20220106155316j:plain「もう少し教科書チックで高校数学から接続する本としては論理と集合から始める数学の基礎もいいよね~」

 

f:id:fineman:20220106155249j:plain「それも丁寧だね」

 

樋口円香 おすすめの集合位相の本

 

松坂和夫『集合位相入門』

 

f:id:fineman:20220106155249j:plain「定番だね」

 

f:id:fineman:20220106155316j:plain「あは~円香先輩の古い方だ~」

 

f:id:fineman:20220106155204j:plain「ま、松坂先生のシリーズ全部装丁が変わっちゃったもんね。海外のペーパーバックみたいな感じになっちゃってる……」

 

f:id:fineman:20220106155228j:plain「そこはどうでもいいんだけど。……とにかく丁寧。松坂先生の本全般に言えることだけど、説明がくどいとすら感じるくらいに丁寧。慣れていない人が読むならこの本だと思う。ただ、説明が丁寧だから詳しいことまでは扱ってない。特に位相の部分は必要最低限という感じ強い。集合の部分は丁寧だし、例も多いから集合の部分だけ読んで別の本に切り替えてもいいかもしれない。ただ、やっぱりくどい書き方をしているから万人向けってわけでもないし、これで完全に十分ってこともないと思う。ただ、他の分野の本を読むときに参考文献に挙げられたり、証明は松坂集合位相にあるなど書いていることもあるから持っていて損はしない」

 

浅倉透 おすすめの集合位相の本

 

内田伏一『集合と位相』


f:id:fineman:20220106155249j:plain「薄いし、これ」

 

f:id:fineman:20220106155204j:plain「ま、松坂先生の本のだいたい半分くらいしかないね……」

 

f:id:fineman:20220106155249j:plain「集合の部分はすごく短い、その分位相のパートにページが割かれていて松坂よりもずっと詳しい。集合を松坂で読んで、位相から内田に入るのが一番読みやすいような気がする。あと新訂版になって全部に解答がついててうれしい」

 

市川雛菜 おすすめの集合位相の本

 

シンガー=ソープ『トポロジー幾何学入門』

f:id:fineman:20220106155228j:plain「集合位相の本じゃない」

 

f:id:fineman:20220106155316j:plain「あは~そうだね~。でも、集合と位相だけ勉強しててもどう使うの~ってつまんなくない?」

 

f:id:fineman:20220106155204j:plain「た、確かに。そういう意味ではすぐあとで使うビジョンが見える方がモチベーション的にはいいのかも」

 

f:id:fineman:20220106155316j:plain「でしょ~。それに50ページしかないけど集合と位相について基本的な事項は書かれているからいったんこういう本でどう使うのかをイメージして速習しちゃって困ってから内田とか松坂に戻ってきた方が頑張れる気がする~。内容としては集合と位相の基本的なこと、基本群と被覆空間、単体的複体、多様体、ドラームの定理、リーマン幾何と幾何学を概観できて楽しい本だよ~」

 

はづきさんからの+α情報

 

f:id:fineman:20220107101714j:plain「私からはネットで見られるものについて紹介しますよ~」

 

www.youtube.com

 

f:id:fineman:20220107101714j:plain「まず紹介するのは龍孫江の数学日誌さんです。メインは代数の話ですが、位相空間についての動画も出されていますよ~。声が落ち着くのと、字がとてもかわいいです。問題を解くことを通して基本的な定義の確認をしていておすすめですよ~」

 

math.jp

 

f:id:fineman:20220107101714j:plain「続いて紹介するのはMathpediaさんです。単発の記事がたくさん載っているんですが、位相空間についてはまとまった体系的なものが二つあります。上にのせているのは入門テキスト「位相空間論」という方でもう一方は速習コースというものになりますよ~。定義、命題と淡々と書かれているので少し勉強した後に整理する目的で見るのがよいのではないかと思います」

 

 

f:id:fineman:20220107101714j:plain「自分に合った本や良き教師を探すのが学習の第一歩ですよ~」